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クリニック経営を変えるデータ活用術(診療報酬額編)

2017年01月23日

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前稿では、「経営の大原則」を示す方程式(患者数×診療報酬平均単価−コスト=利益)のうち、「患者数」に関するデータを読み解く際のポイントについてご紹介させていただきました。今回は、「診療報酬額」に関するデータの読み解き方、そして、各データを元にした改善のポイントについてお伝えいたします。

 

「診療報酬額」に関するデータを読み解く際のポイント

 

診療報酬単価を分析、適正化する際のポイントとしては、「初診と再診の比率」と経営に比較的大きな影響を与える検査や処置、手術(以下、「注目する検査処置手術」)の実施回数の2点があげられると思います。

 

初診と再診については、ご存知の通り診療報酬は「初診」と「再診」では大きく異なりますので、再来患者の中での初診比率をモニタリングします。

 

一方、「注目する検査処置手術」ですが、こちらについては、まず最初にご自身の診療科や診療内容により項目を選ぶ必要があります。(1)気をつけないと取り漏れしやすい項目、(2)意識しないと実施漏れをしやすいが重要な項目、(3)経営上売上に貢献する度合いの大きな項目、(4)担当医師や担当職員によってばらつきが生じやすい項目などを入れておくとよいかと思います。筆者が経営するスマイル眼科クリニック(横浜市青葉区青葉台)の場合は眼科ですので、コンタクトレンズ、メガネ処方、OCT(光干渉断層計)、眼位、レーザー等を「注目する検査処置手術」と定め、実施件数のデータを蓄積しています。同時に、医師の診察実績も記録しているため、どの医師が各検査や処置をどの程度実施しているかを把握できるようにしています。

 

「初診と再診の比率」を適切に判断する

初診と再診の比率が極端に上下している場合、または、明らかに初診の比率が下がってきている場合には、本来「初診」とされる診察を「再診」としてしまっている可能性が考えられます。この場合、パートの医師やスタッフとデータを共有し、初診、再診の区別についての正しい理解を持ってもらい、適切な対応がなされるよう促します。

 

「注目する検査処置手術」実施データを元にどのように改善を行うか

各項目の医師ごとの実施回数を見ていくと、医師によりばらつきが見られることがあります。こうした傾向を理解することで、検査や手術の実施回数が少ない医師に対してその検査や処置、手術についての理解を促すことで実施漏れを防ぐことができます。

 

実際のスマイル眼科の事例をご紹介いたします。

当院では、OCTの実施回数が2013年に月平均83回でした。データを分析すると、一部医師のOCTの検査件数が少ないことがわかり、その原因として、検査に対する理解不足が考えられました。そこで、OCT検査についての勉強会を開き、医師のみならずスタッフ全員にその有用性について理解してもらうことで、2015年にはおおよそ2倍の月平均約170回になりました(図1)。

 

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(図1:2015年のスマイル眼科OCT実施数(月ベース)/スマイル眼科のBeeコンパス画面より)

 

「注目の検査処置手術」のデータは、こんな使い方もできます。眼科の場合、例えば小児の斜視の検査などが当てはまりますが、来院した主訴とは直接関係がなくても一度しておいた方がよい検査等を患者さんにご紹介するようにして、その結果をウオッチしていく方法です。もちろん、当然のことではありますが、必要のない検査を実施することは避けなければなりません。一方で、上記のように、医師による検査に対する知識のばらつきを改善したり、あるいは、患者さんにとって有益と思われる検査を適切な説明を行なった上で実施したりすることは、クリニックの経営のみならず、提供する医療の質を向上する上でも大変重要と言えます。

 

また、こうしたデータを活用することで、医療機器の採算性を把握することも可能になります。例えば、300万円の医療機器を5年間、60ヶ月使用すると想定した場合、実質的な負担は月5万円となります。検査の件数をデータとして蓄積しておくことで、その検査の診療報酬額を試算し、月5万円という投資に対するリターン、すなわち、その医療機器の費用対効果を容易に算出できるようになります。

 

おわりに

「患者数×診療報酬平均単価−コスト=利益」の方程式のうち、今回は、「診療報酬平均単価」に注目し、「診療報酬額」を適正化していくためのポイントと具体的な方法についてご紹介してきました。

 

忙しい日々の診療の合間にこうしたデータを集めて分析するのは、難しいのが現実かもしれません。しかし、これまで見てきたように、データの集積と見える化は、クリニックの経営と業務の継続的な改善の、いわば基礎となる大変重要なものです。

 

スマイル眼科では、株式会社メディ・ウェブが提供しているクリニック経営分析ソフト「Beeコンパス」を用い、毎日の診療後に受付スタッフが3-5分で業務データを入力し、また、月次でレセプトデータをアップロードして分析を行なっています。

 

ぜひ先生方にもご紹介しました手法をお試しいただき、データの力でクリニックの経営基盤の強化に繋げていただければと思います。

 

次稿は、経営の方程式のうち「コスト」に注目して、データの読み解き方とデータを元にした改善のポイントについてご紹介いたします。

 

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yang201510.pngAuthor:
楊浩勇 1963年神戸市生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。医師。
現在、医療法人健究社理事長、株式会社メディ・ウェブ代表取締役会長、慶応義塾大学医学部非常勤講師。
 
 

 

 

 

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