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レセコン・電子カルテに次ぐ第三の医療IT「PMS(Practice Management System)」とは?(後編)

2017年10月19日

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前稿では、レセコン・電子カルテに次ぐ第三の医療ITとして期待されるPMS(Practice Management System:医院マネジメントシステム)の定義と必要性についてご説明しました。本稿では、PMSを活用した現場での事例をご紹介します。

 

PMSを活用した改善策とその効果

 

必要な再受診を促し適正化

医院の収益を改善するためには、1. 患者数を増やす、2. 診療報酬単価を上げる、3. コストを下げる、といった方法が考えられます。また患者数減少の原因が、「新規患者」なのか「再来患者」なのかで対策が異なりますから、両者は明確に区別する必要があります。筆者がまず取り組んだのは、再来患者数を適正に増やすことでした。

再来を適正化する対策として、(1)診察終了時に患者さんに次回の受診目安時期を口頭でお伝えするだけでなく紙に書いてお渡しする、(2)診察終了後に必要に応じて次回の診察予約を入れることを実行しました。これらの施策の結果、同月の再受診率は4%ほど向上しました。

 

 

予約枠のコントロールで患者数を平準化し、待ち時間を短縮

患者数が増えれば、通常待ち時間は比例して長くなります。しかし、待ち時間が長くなると患者満足度の低下や再受診率の低下を招くジレンマが起きます。そこで、スマイル眼科クリニックが、患者数増と待ち時間短縮を両立させるために用いた対策が、「患者数の平準化」です。

曜日別や時間帯別の患者数を分析したところ、患者数に大きくバラツキがあることがわかりました。筆者らは、このバラツキを小さくすることができれば、待ち時間を短縮することができるのではと考えました。

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曜日別患者数の変化

 

そこで、直来(予約なし)の患者数が多い曜日や時間帯は予約の受入患者数を少なく設定し、患者数が少ない曜日や時間帯は予約の受入患者数を多く、という具合に予約枠を調整することにしました。また、医院の混雑状況をリアルタイムにホームページ上で表示。これらの施策の結果、曜日ごと、時間帯ごとの患者数はある程度平準化され、平均待ち時間を12%短縮することができました。

 

図5.png

平均待ち時間の変化

 

 

業務の効率化と経営の合理化で、コスト削減を試みる

深刻な人手不足や最低賃金の上昇を受けて、人件費及び採用費の増大は深刻な問題です。特にクリニックにおける全コストに占める人件費関連コストの割合は一般的には6割から7割と高いことから、人件費の抑制は収益上最重要な課題でもあります。

そこで、業務の効率化に目を向け、(1)インターネット予約の導入による電話受付業務の削減、(2)待合室での順番表示システムの導入による受付への問い合わせ・クレームの削減、(3)自動再来受付の導入による受付業務の削減などに取り組んできました。前述した患者数平準化の効果もあいまって、スタッフの業務効率(注:「患者数÷スタッフ数」を業務効率の指標としています)はPMS導入前と比較して37%改善しました。

さらに、増え続ける広告宣伝費を見直すために、新規患者の問診票から来院媒体別患者数を測定。各媒体(ホームページ、看板、タウンページ、タウン誌など)別の費用対効果を1年に1度ぐらいの頻度で計測し、不採算な媒体への出費を控えるようにしました。

 

 

おわりに

本稿では、PMSのカテゴリーに属する代表的なソフトを活用した効果の一部を紹介させていただきました。PMSは、医院の悩みや課題を帳消しにする魔法の杖ではありませんが、医院におけるマネジメントの重要性を正しく理解し、経営の悩みを解決して安心して患者さんに質の高い医療サービスを提供したい、とお考えの医院経営者にとっては、強力な味方になってくれることでしょう。近い将来、日本でも、PMSに属する数々の有益なソフトが医院の現場で使われていくことと予測されます。

 

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yang201510.pngAuthor:
楊浩勇 1963年神戸市生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。医師。
現在、医療法人健究社理事長、株式会社メディ・ウェブ代表取締役会長、慶応義塾大学医学部非常勤講師。
 
 

 

 

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