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レセコン・電子カルテに次ぐ第三の医療IT「PMS(Practice Management System)」とは?(前編)

2017年10月02日

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医療費抑制・医院過剰・人手不足などを受けて、日本のクリニックは今、転換期を迎えています。ITを活用した経営・業務改善の重要性はかつてないほど高まっています。そこで、レセコン・電子カルテに次ぐ第三の医療ITとして期待される医院マネジメントシステム(PMS)について、2回に渡り、その定義や現場の事例をご紹介します。

 

PMS(Practice Management System)とは?

PMS(Practice Management System:医院マネジメントシステム)とは、医療ITのひとつのカテゴリーで、クリニックにおける経営の悩みや現場業務の負担を軽減するために必要なマネジメントをサポートするためのソフトウェアの総称です。医療ITといえば、まず思い浮かぶのはレセコンと電子カルテだと思いますが、これらがカバーするレセプト請求や診療録の作成以外のクリニックの経営や業務をサポートするのがPMSです。具体的には、診療予約、順番管理、患者デモグラフィックス分析、経営分析などのソフトウェアが含まれます。

 

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日本ではまだ馴染みの薄いPMSですが、欧米のクリニックでは電子カルテ以上に普及しています。筆者がPMSに出会ったのも、日本医師会の委託研究で米国に留学していたときのことでした。米国では医院間の競争が激しいため、医院経営者のマネジメントに対する意識も総じて高い傾向にあります。このため、ITを活用した経営の合理化や業務の効率化にも非常に積極的で、PMSは医院経営に欠かすことのできない重要なツールと考えられています。

一方、日本においては、2000年以降、レセコンや電子カルテの普及に伴い徐々に医療現場でITが活用されるようになってきました。しかし、米国のように医院間の競争環境がまだ厳しくなかった日本では、マネジメントをそう意識せずとも経営に困ることが無く、それゆえにPMSが注目される機会が少なかったものと考えられます。

しかし、この数年で医院の経営環境は大きく変化。診療報酬の抑制や医院間の競争激化などによる患者数の減少、コストの上昇が現実的なものとなりました。継続的に質の高い患者サービスを提供するためには、限られたリソース(設備、時間、スタッフなど)をいかに効率的に使うかという、いわゆるマネジメントの考え方が必要不可欠になってきました。医院経営の悩みや課題が増えるなかで、いよいよ、日本においてもPMSに対するニーズが顕在化して来たと考えられます。

 

医院経営の悩みや課題を解決するためのIT

日本の医院経営者は、どのようなことに悩みや課題を感じているのでしょうか?筆者らが、医院経営者向けに「医院の悩みや課題」についてアンケートを実施したところ、以下のような回答が寄せられました。

 

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医院の悩みや課題(自社調べ)

 

とりわけ多くの医院経営者の悩みのタネとなっていたのが、「待ち時間が長い、波がある(87%)」。待ち時間は患者の不満に繋がりやすいため、再受診率が低下したり、口コミサイトにネガティブなコメントを書かれてしまうことで新規患者が減少したり、といったリスクがあります。また、患者さんからの問い合わせやクレームが増えることで、スタッフのモチベーション低下やストレス増大、離職や、残業時間の増加など広い範囲に問題が連鎖します。多くの医院経営者が課題として挙げたのも頷けます。

その他には、「患者数の伸び悩み、減少(67%)」「人手不足、職員確保(60%)」「診療報酬の減少、査定等(40%)」など、いずれも近年の経営環境の変化を如実に反映した結果となりました。

これらの悩みや課題は、従来からの医療ITであるレセコンや電子カルテだけでは解消することができず、増え続ける医院の課題に対処するためのマネジメント手法と、マネジメントをサポートするためのITツールが望まれるようになりました。

 

海外ですでに普及しているPMSのコンセプトに基づき、筆者らは日本の医院が抱える課題を解決するための日本版PMSの開発を2011年頃から本格的に始めました。まずは、多くの医院の悩みである待ち時間の短縮と、受診患者数の曜日や時間帯による変動の波を解消する目的で、診察順番管理ソフト と診察予約ソフト を開発、続けて患者の再受診の向上並びに受診アドヒアランス向上を目的とした次回受診目安票を作成するソフト を開発しました。

 

後編では、実際にPMSを活用した現場での具体的な対策や効果の事例をご紹介します。

 

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yang201510.pngAuthor:
楊浩勇 1963年神戸市生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。医師。
現在、医療法人健究社理事長、株式会社メディ・ウェブ代表取締役会長、慶応義塾大学医学部非常勤講師。
 
 

 

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