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1日5分でクリニック経営を変える「業務日報」活用術(患者数編)−2

2017年01月11日

前稿では、「業務日報」によるデータの蓄積と見える化が重要な理由についてお話いたしました。

本稿では、先日こちらの記事でもお伝えした「経営の大原則」を示す方程式(患者数×診療報酬平均単価−コスト=利益)のうち、「患者数」に注目して、データを読み解く際のポイントについて整理したいと思います。

 

蓄積した業務日報データから、「患者数」について読み解く際のポイント

では早速、「患者数」に関するデータについて見ていきましょう。ここでは、「患者」を大きく2つのタイプに区別して捉えていきます。「新規患者」と「再来(既存)患者」です。

 

「新規患者数データ」を読み解く際のポイント

新規患者数についてモニタリングする際、私が特に参考にしているのは、下記の指標です。

 

  • 来院媒体(来院のきっかけとなった媒体)の割合
  • 来院媒体の前年同月比の実績

 

レセコンでは、「初診」と「再診」を区別してデータを集計することはできても、「新規」「再来」はデータとして管理していないメーカーや機種がほとんどです。スマイル眼科では、受付スタッフが毎日新規患者数をカウントして集計し、業務日報に入力しています。また、問診票を用い、すべての新規患者に来院のきっかけとなった媒体(来院媒体、または、来院経路とも言います)について選択、ご記入いただき、データを蓄積しています。

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(スマイル眼科、2016年6月の来院媒体)

 

上図は、2016年6月におけるスマイル眼科の来院媒体調査の結果です。およそ40%がホームページ経由で、およそ35%が口コミ、その後看板や他院紹介が続いています。

 

こうした数値をチェックする際に抑えたいのは、「イメージしたマーケティング施策と実際の媒体別来院数が一致しているかどうか」です。スマイル眼科の場合、ターゲットをインターネットリテラシーの高い社会人や学生の層をメインとしているので、ホームページからの来院が多いのはマーケティング施策とマッチしていると考えられます。

image02_スマイル眼科HP.png

スマイル眼科クリニックのHP

 

また、前年のデータと見比べることで、割合や実数の変化から競合クリニックの影響や媒体ごとの効果の変化を追っていくことも重要です。

 

スマイル眼科では、業務日報のデータからタウンページが費用対効果として合わないことが判明したため、タウンページへの出稿を取りやめました。これにより、年間約100万円の広告費が削減されたため、その一部でホームページのリニューアルとSEOの強化を行いました。

「再来患者数データ」のチェックポイント

一方、クリニック経営を安定的に継続していく上で大変重要なのが、再来患者数です。私自身が再来患者数を見る上で重視しているのは、「再受診率(リピート率)」です。再受診率を向上させることは、コストと効果、いずれの面から考えても、クリニック経営に大きなインパクトを与えます。

再受診率は、基本的に、患者のアドヒアランスが高く保たれている場合、また、クリニックの診療に対する満足度が高い場合に高く推移します。加えて、患者が受診したいと思った時に受診できる「アクセス」を確保できているかどうかも大きな影響を与えると考えられますので、実際の再受診率を見ながら必要と思われる施策を検討していきます。

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(スマイル眼科、2009-2014年の同月再受診平均回数)

 

上図は、少し前のものになりますがスマイル眼科の実際のデータです。

 

スマイル眼科では、こちらの記事 でもご紹介したような再受診率向上のための様々な施策を行なってきました。2010年には「次回受診目安票」を導入しアドヒアランスの向上を促し、その後、アクセス改善の施策として「予約システム」を導入しました。

 

新規対策×再来対策で、患者数を維持、向上させる

 

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(スマイル眼科、2001-2014年の月間平均患者数)

 

上図はスマイル眼科におけるデータの推移ですが、2009-2011年は、近隣で同診療科の医院が新規開業した等の影響もあり患者数が減少、その後、本稿でご紹介してきたような様々な対策を実施しました。以降、継続してデータを収集、改善を行った結果、2013−2014年には患者数の増加が認められました。

 

1日5分、日々の日報の蓄積が経営数値の資産に

ここまで見てきたとおり、蓄積されたデータは経営の重要な資産になります。これらのデータは、課題の発見と施策の効果測定において重要な役割を果たします。

 

しかし、忙しい日々の診療の合間にこうしたデータを集め、分析するのは、難しいのが現実かもしれません。

 

スマイル眼科では、株式会社メディ・ウェブが提供しているBee業務日報を用い、毎日の診療後に受付スタッフが3-5分かけ入力しています(Bee業務日報ができる以前は、エクセルを活用していました)。

 

ぜひ先生方にも業務日報をお試しいただき、データの力でクリニックの経営基盤の強化に繋げていただければと思います。

 

次回は、「診療報酬平均単価」と「コスト」について、ご説明させていただきます。

 

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yang201510.pngAuthor:
楊浩勇 1963年神戸市生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。医師。
現在、医療法人健究社理事長、株式会社メディ・ウェブ代表取締役会長、慶応義塾大学医学部非常勤講師。
 
 

 

 

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